のどかな雰囲気溢れるJR御殿場線の無人駅「足柄駅」を現地レポート!
多数の写真と詳しい説明で紹介しています

足柄駅

2018.8.3
足柄駅

ご案内

地元住民の並々ならぬ努力によって開業した駅

「足柄駅」はもともとは駅でなく、1903(明治36)年1月に足柄信号所(信号場)として開設されました。
1934(昭和9)年12月、丹那トンネルが開通すると御殿場線は東海道本線からローカル線になり、御殿場線沿いの町は寂しくなっていきました。


それとは対照的に、足柄ではこれを好機ととらえて、駅の新設運動を開始。
何しろ、駅のない足柄では隣りの駿河小山駅まで徒歩約1時間、もしくは御殿場まで徒歩約1時間半かけて行き、やっと列車に乗ることができる大変不便な状況でした。
住民総出で駅舎の建設、ホームや線路の土盛りなどに取り組み、更に用地や資材の提供まで行いました。
村民など協力人員は延べ19.000人に上ったそうです。
その甲斐あって、戦後の1947(昭和22)年9月15日、駅に昇格。
足柄駅は、地元住民の並々ならぬ努力により開設された駅です。

とっても離れている2つの「足柄駅」

ちなみに、小田急電鉄小田原線にも「足柄駅」があります。
小田急線「足柄駅」は、所在地の地名が1927(昭和2)年開業当時「神奈川県足柄下郡足柄村」であったことなどから名付けられたそうです。
御殿場線「足柄駅」も所在地の地名が当時「静岡県駿東郡足柄村」だったことに由来し、「足柄信号所」の名前を引き継いで名付けられています。
「足柄」という地名自体は、神奈川県と静岡県の県境付近の足柄山、足柄峠周辺を意味していますから2つの駅が近いように感じますが、実はとっても離れています。
2つの「足柄駅」は「足柄峠」を挟んで、ちょうど真逆。
車で移動しても1時間弱かかるので、乗換可能と勘違いしないようにしてくださいね。

券売機がない

足柄駅には、券売機は設置されていません。
列車内、もしくは下りる駅で清算するようになります。

ホームやロータリーの階段など高くなっている場所にはスロープが設置され、車いすやベビーカーでも特に問題はありません。

現地レポート

足柄駅の駅舎は、だいだい色の屋根が目を引く建物です。

足柄駅 駅舎

駅前のロータリーは、駅舎のサイズに対して比較的広くなっています。

足柄駅 駅前のロータリー

タクシー乗り場は、ロータリーの駅舎側。
ほぼタクシーがいないので、電話で呼ぶようになります。
公衆電話は、駅舎を挟んだ県道78号線側の広場にあります。

付近のタクシー会社(五十音順)

伊豆タクシー 0550-89-1110
こだまタクシー 0550-82-2740
御殿場タクシー 0550-82-1234
箱根登山ハイヤー 0120-82-0091
光タクシー 0550-82-2777
足柄駅 タクシー乗り場

バス乗り場は、ホーム沿いの分かり易い場所。

足柄駅 バス乗り場

駅の周囲には、郵便局やコンビニなどがあります。

ニューヤマザキ デイリーストア 足柄駅前店
営業時間 6:00~19:00
電話番号 0550-76-1528
足柄駅 駅前「デイリーストア」

ロータリー脇には、飲物や食品を販売するお店もあります。

橋本屋商店(HASHIMOTO)
営業時間 8:00~19:30
定休日 日曜日
電話番号 0550-76-1490
足柄駅 駅前「HASHIMOTO」

ロータリーから駅舎へは、枕木の階段を上っていきます。

足柄駅 ロータリーからの階段

車いすの方は、道路側に設置されているスロープから、駅舎へ向かうことができます。

足柄駅 ロータリーからのスロープ

スロープを上った先には、デザインが特徴的なトイレがあります。

足柄駅 トイレ

光を通す天井なので、トイレ内は明るく安心。

足柄駅 トイレの天井

トイレから駅舎に向かって左手に進むと、地元出身の英雄・金太郎の銅像があります。

金太郎のおはなしについてはこちら
足柄駅 金太郎の銅像

駅舎の入口は、トイレから向かって左側。
構内に売店はありませんが、自動販売機が入口脇に設置されています。

足柄駅 自動販売機と駅舎入口

駅舎に入ってすぐ右手には、木製のベンチが2基。
寒い時期は、ここで北風を凌ぎます。
壁にかかっているのは、今では見かけなくなった伝言板でしょうか?
割と新しい黒板のようですが、懐かしい雰囲気を演出してくれています。

足柄駅 待合所

この駅舎には以前、出札口や事務室などが設置されていました。
しかし1997(平成9)年に無人駅となり、それらは撤去されてしまいました。
現在は、ホーム側の柱に切符回収ポストがあるのみです。

足柄駅 切符回収ポスト

駅舎入口の反対側は、屋内に入らなくても屋外からそのままホームへ行ける通路となっています。

足柄駅 外側通路

ホームへは1番線を横断して行きます。

足柄駅 構内踏切

ホームは約1.5mほど高くなっていますが、緩やかな階段と共にスロープがあるので車いすでも問題ありません。

足柄駅 ホームへのスロープ

足柄駅は、1面2線の島式ホーム。
ロータリー側が1番線で「松田・国府津」方面行き。
反対側は2番線で「御殿場・沼津」方面行き。

足柄駅 ホーム

ホームのもっと端の方からの眺め。
このホーム、やたらと長いので端の方まで来ると、中央部分がアスファルト舗装ではなくなり、中央に生える草が、のどかな雰囲気を演出してくれています。
ホームの左手は宅地化が進んでいますが、右手にはまだまだ緑豊かな景色が広がっています。

足柄駅 ホームの端からの眺め

ホームから眺めた駅前ロータリー。

足柄駅 ホームから眺めた駅前ロータリー

「国府津」行きの列車が出発。
その列車に乗ってきた人達も電車が通り過ぎるのを待って、構内踏切を横断します。

足柄駅 構内踏切

足柄駅は、のどかな雰囲気満載の駅です。
ホーム側の駅舎の壁には木製の看板が掲げられ、味わいある文字が駅ののどかな雰囲気をより一層強めてくれています。
都会の雑踏な雰囲気に疲れてしまったら、この駅に足を延ばしてみてください。
な~んにもない駅だけど、何もないことが新鮮に感じられます。

足柄駅 のどかな雰囲気満載の駅

基本情報

住所 静岡県駿東郡小山町竹之下4011
駐車場 有り(送迎用)
アクセス

東名御殿場ICから約8km(約20分)

  • 掲載する内容は正確性を心がけておりますが、現地の事情や状況の変化により変更する場合もございます。
    お出掛け前に、現地にご確認ください。

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