2020年、「隈研吾建築都市設計事務所」設計により新たに生まれ変わった「足柄駅」の現地レポート!

足柄駅

小山町 利用する
2024.7.3 2018.8.3
足柄駅

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2020年、「隈研吾建築都市設計事務所」設計の新駅舎がオープン

2020年、古い駅舎を立て替え、新たな「足柄駅」がオープンしました。
設計は「新国立競技場」を手掛けた「隈研吾建築都市設計事務所」によるもので、地元の木材を使った環境に溶け込むザインとなっています。
駅と支社が一体となっており、「交流センター」としても活用されています。

地元住民の並々ならぬ努力によって開業した駅

「足柄駅」はもともとは駅でなく、1903(明治36)年1月に足柄信号所(信号場)として開設されました。
1934(昭和9)年12月、丹那トンネルが開通すると御殿場線は東海道本線からローカル線になり、御殿場線沿いの町は寂しくなっていきました。

それとは対照的に、足柄ではこれを好機ととらえて、駅の新設運動を開始。
何しろ、駅のない足柄では隣りの駿河小山駅まで徒歩約1時間、もしくは御殿場まで徒歩約1時間半かけて行き、やっと列車に乗ることができる大変不便な状況でした。
住民総出で駅舎の建設、ホームや線路の土盛りなどに取り組み、更に用地や資材の提供まで行いました。
村民など協力人員は延べ19.000人に上ったそうです。
その甲斐あって、戦後の1947(昭和22)年9月15日、駅に昇格したのです。
足柄駅は、地元住民の並々ならぬ努力により開設された駅です。

とっても離れている2つの「足柄駅」

ちなみに、小田急電鉄小田原線にも「足柄駅」があります。
小田急線「足柄駅」は、所在地の地名が1927(昭和2)年開業当時「神奈川県足柄下郡 足柄村」であったことなどから名付けられたそうです。
御殿場線「足柄駅」も所在地の地名が当時「静岡県駿東郡 足柄村」だったことに由来し、「足柄信号所」の名前を引き継いで名付けられています。
「足柄」という地名自体は、神奈川県と静岡県の県境付近の足柄山、足柄峠周辺を意味しているので2つの駅が近いように感じますが、実はとっても離れています。
2つの「足柄駅」は「足柄峠」を挟んで、ちょうど真逆。
車で移動しても1時間弱かかるので、乗換可能と勘違いしないようにしてくださいね。

券売機がない

足柄駅には、券売機が設置されていません。
列車内、もしくは下りる駅で清算するようになります。

ホームやロータリーの階段など高くなっている場所にはスロープが設置され、車いすやベビーカーでも特に問題はありません。

新駅舎レポート

「隈研吾建築都市設計事務所」の設計による現在の駅舎は、2020年に完成したばかりです。
「新国立競技場」同様、木造部分がモダンデザインを中和し、周囲ののどかな景観に溶け込んでいます。

足柄駅 駅舎

地元で生産・加工された「富士山-金時材」を使用し組まれた立派な切妻屋根が目を引きます。
垂木部分を積極的に見せる事で木の柔らかさが引き立ち、親しみ易い雰囲気となっています。

足柄駅 駅前のロータリー

新しい駅舎は、駅と支社が一体となっており、「交流センター」としての役目も担います。
支社駐車場側から連絡通路を挟んで、
右が交流センター、左が支社です。

足柄駅 構内踏切

足柄支社 外観の様子。

営業時間 平日 8:30~17:15
足柄駅 のどかな雰囲気満載の駅

交流センター 外観の様子。

この自動ドアは、タイマーロックにより作動します。

開錠 5:30
施錠 21:00
足柄駅 金太郎の銅像

交流センター 内部の様子。

大きな階段で2階と繋がっており、開放感があります。

足柄駅 自動販売機と駅舎入口

昇降機が設置され、車いすでの上り下りも可能です。

足柄駅 待合所

交流センターを入ってすぐ右手に、リサイクル図書館「足柄文庫」があります。
本を借りたいときには、「貸出票」を記入して本棚脇のポストに投函します。

足柄駅 切符回収ポスト

交流センター1階部分のテーブル席。

足柄駅 外側通路

2階部分のカウンター席。
高い位置からの眺望が楽しめます。

足柄駅 構内踏切

その下の1階部分は、通路兼ロッカースペース。

足柄駅 構内踏切

ロッカーは1サイズのみですが・・・

足柄駅 構内踏切

キャリーケースも入りそうな、ゆったりサイズ。
硬貨は利用後に返却されます。

足柄駅 構内踏切

多機能トイレもゆったりサイズ。

足柄駅 構内踏切

駅舎の反対側(線路側)は、ガラス張りの待合室になっています。

足柄駅 構内踏切

窓が大きく明るい日差しが入ってくるので、室内だけど開放感があります。

足柄駅 構内踏切

待合室からホームの様子を、しっかりと覘くことができます。
電車の発着を確認できるので、乗り遅れる心配もないですね。

足柄駅 構内踏切

ホーム&周辺レポート

「足柄駅」のロータリーは、ゆったりと利用し易い広さです。

足柄駅 駅前のロータリー

駅舎前には、金太郎と熊の銅像。
足柄駅がある小山町は、金太郎こと坂田公時さかたのきんときが生まれ育った町としても有名です。
金時神社、頼光対面らいこうたいめんの滝、爪切り地蔵など、町の至る所に金太郎ゆかりの地が多く残されています。

足柄駅 ロータリーからの階段

駅舎は少し高い位置にあるので、ロータリーからは階段を上っていきます。
すぐ脇に緩やかなスロープも設置されているので、車いすでも安心です。

足柄駅 ロータリーからの階段

無人駅の足柄駅には改札機がなく、駅舎に入らなくても、建物に沿って進むことでホームへ向かうことができます。
通路の屋根は大きくせり出し、雨除け・日差し除けの役目をしっかりと果たしています。

足柄駅 ロータリーからのスロープ

改札機の代わりにあるのが、タッチセンサー。

「TOICA」を持っている方は、入場用タッチセンサー(緑色)にタッチして入場。
「TOICA」を持っていない方は、電車内で車掌さんから切符を購入します。

TOICA
JR東海が提供する在来線のIC乗車券サービスの総称

足柄駅 ロータリーからのスロープ

下車時には、入場用(緑色)の後ろにある出場用タッチセンサー(黄色)に「TOICA」をタッチして出場します。

足柄駅 ロータリーからのスロープ

切符の方は、柱に設置されている切符回収ポストへ切符を入れます。

足柄駅 トイレ

話が逸れてしまいましたが・・・
構内踏切で1番線を横断し、ホームへ向かいます。

足柄駅 トイレ

ホームは約1.5mほど高くなっていますが、緩やかな階段と共にスロープがあるので車いすでも問題ありません。

足柄駅 トイレの天井

足柄駅は、1面2線の島式ホーム。
ロータリー側が1番線で「松田・国府津」方面行き。
反対側は2番線で「御殿場・沼津」方面行き。

足柄駅 ホーム

このホームやたらと長いので、端の方まで来ると中央のアスファルト舗装が無くなり、草が生えています。
のどかな雰囲気を演出してくれていますね。

足柄駅 ホームの端からの眺め

ホーム端から眺めた線路の様子。

足柄駅 ホームから眺めた駅前ロータリー

駅周辺の乗り物情報

足柄駅のバス停はホーム沿いの分かり易い位置にあります。
ここからコミュニティバス等が発着します。

足柄駅 バス乗り場

駅舎を挟みロータリーとは反対側にある支社駐車場に、カーステーションがあります。
これは会員登録し、アプリから予約するだけで、24時間いつでも車を利用できるシステムです。

足柄駅 バス乗り場

2020年にリニューアルし、機能的に生まれ変わった足柄駅。
木の温もりが、この地ののどかな雰囲気を程よく伝えてくれています。
また、便利な施設が小さな駅舎にギュッと凝集されていますが、狭さを全く感じず、むしろ開放的で、思わず長居したくなってしまう空間でした。

足柄駅 ホームへのスロープ

基本情報

住所 静岡県駿東郡小山町竹之下4011
駐車場 有り(送迎用)
アクセス

東名御殿場ICから約8km(約20分)

  • 掲載する内容は正確性を心がけておりますが、現地の事情や状況の変化により変更する場合もございます。
    お出掛け前に、現地にご確認ください。

地図

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