明治・大正・昭和の三代に渡りご使用になられた「沼津御用邸記念公園」
その広大な庭園の散策レポートです

沼津御用邸記念公園 公園散策


公園散策レポート 基本観光情報
 

公園散策レポート

「沼津御用邸記念公園」の看板案内図

「沼津御用邸記念公園」の看板案内図

「沼津御用邸記念公園」の駐車場は、第1~第4駐車場まであり、無料となっています。

沼津御用邸記念公園 駐車場

根上がり松

「西附属邸正門」手前にはどっしりとした「根上がり松」が生えています。
幹の太さは4m弱。
松の上部は台風と落雷で折れてしまい、高さは14mほど。
推定樹齢400年の松で、その名の通り根っこが地面から飛び出しています。
それでもガッチリと根付き、その巨体をしっかり支えて立っている超巨大なド根性松です。

沼津御用邸記念公園 根上がり松

西附属邸正門

両脇には、守衛所。
戦前は陸軍軍人や制服警官が配備されていたそうです。
現在も土日祝日には制服を着た守衛さんが立って、当時の様子を再現してくれています。

沼津御用邸記念公園 西附属邸正門

正門を入って右手にある建物で、入園料を支払います。
「西附属邸」を見学する場合は¥400(大人)かかりますが、庭園を見て回るだけなら¥100(大人)です。

沼津御用邸記念公園 入場受付

支払窓口に向かって、右手にはお手洗い。
左手には、ロッカーがあります。

沼津御用邸記念公園 ロッカー

更に奥には、売店があります。
売店では地元の有名菓子や工芸品の他に、皇室カレンダーなど皇室関連のグッズも多数取り揃えています。

沼津御用邸記念公園 売店

御車寄(みくるまよせ)

皇族が御車から降りて玄関にお入りになる場所で、現在「西附属邸」見学の入場口になっています。

沼津御用邸記念公園 御車寄

この「御車寄」でぜひ注目してもらいたいのが、その屋根。
正面中央部分には、猪目懸魚(いのめけぎょ)の装飾が施されています。
また鬼瓦には、皇室を表す紋章の16弁の菊がデザインされています。
しかも両サイドは、立体的。
無骨な屋根にかわいらしく咲いた菊の花に、なんだか微笑ましくなってしまいます。

沼津御用邸記念公園 御車寄の屋根

「御車寄」前ロータリーの中心には、立派なソテツ。

沼津御用邸記念公園 「御車寄」前ロータリーのソテツ

沼津垣

この 公園内の至る所で目にするのが、繊細なデザインの竹垣。
この地域特有のデザインで、「沼津垣」と呼びます。
駿河湾に面し西風が強い沼津の沿岸部では、二重構造で防風効果が大きい「沼津垣」が好んで用いられました。
江戸時代以前から作られていたと云われ、歌川広重の「五十三次(人物東海道)沼津」にも、「沼津垣」が描かれています。

沼津御用邸記念公園 沼津垣

さて、園内を「沼津市歴史民俗資料館」方面に向かって進みます。

沼津御用邸記念公園 散策路

「西附属邸」エリアから「本邸跡地」エリアへは、連絡橋を渡って行きます。

沼津御用邸記念公園 連絡橋

この連絡橋の下を横切るのは、川でなくプロムナード。
このプロムナード、左手は駐車場付近の道路まで続いています。

沼津御用邸記念公園 プロムナード

右手は牛臥(うしぶせ)海岸まで続いており、このプロムナードを散歩する地元の方をよく見かけます。

沼津御用邸記念公園 プロムナード

橋を渡った先には、大きな広場。
この日は、ここで菊花展が行われていました。

沼津御用邸記念公園 広場

ここは焼失してしまった「本邸跡地」エリアで、井戸が残されています。

沼津御用邸記念公園 井戸

厩舎

広場に面して建つ木造の建物は現在、「主馬(しゅめ)」という喫茶店と交流スペースとして使われています。
「主馬」の名は、旧宮内省で馬事、馬具を司る「主馬署(しゅめしょ)」から名付けられました。
もともとは、陛下の御召馬車および乗馬用の馬を最大25頭収容できる厩舎でした。

沼津御用邸記念公園 厩舎

「喫茶主馬」の外観。

沼津御用邸記念公園 喫茶主馬

店内はテーブル毎に馬房(ばぼう)の壁で仕切られています。

沼津御用邸記念公園 喫茶主馬の店内

また厩舎の名残として、馬を繋ぐための鉄の輪もしっかり残っています。

沼津御用邸記念公園 喫茶主馬の店内

暑さ対策の為か天井は高く、採光窓も設けられています。
乗馬に詳しくなくても興味が湧くこの空間、お食事が楽しくなりそうです。
「喫茶主馬」では、パフェやぜんざいなどのデザートの他に、うどんやカレーなどのお食事も頂けます。

沼津御用邸記念公園 喫茶主馬の天井

隣りにもう1棟厩舎だった建物があり、こちらは現在「交流処」として、展示会などのイベントに利用されています。

沼津御用邸記念公園 主馬「交流処」

建物内の様子。

沼津御用邸記念公園 主馬「交流処」の建物内

一部だけ厩舎の建具が残されており、そこにいましたよ。
木馬が。

沼津御用邸記念公園 主馬「交流処」の建物内の厩舎跡

C62型蒸気機関車の模型が、展示されています。

沼津御用邸記念公園 C62型蒸気機関車の模型

六郷のとんび凧

天井で大きく羽を広げているのは、東京都大田区六郷に江戸時代から伝わる郷土玩具「六郷のとんび凧」。
1916(大正5)年、昭和天皇の立太子式を奉祝して六郷の須山民蔵さんらが献上したものです。

沼津御用邸記念公園 六郷のとんび凧

園内で食事できる場所は2カ所。
先程の「喫茶主馬」と、そのすぐ近くにある「そば処」です。
出汁が評判のそば料理を提供し、1番の人気メニューは「鴨つくねつけ蕎麦」です。

沼津御用邸記念公園 そば処

本邸正門(園内から撮影)

「そば処」の脇には、オシャレで重厚感のある「本邸正門」があります。
大正天皇が皇太子時代に侍医を務めたドイツ人医師エルヴィン・ベルツ博士の縁によって、明治時代にドイツのゾーリンゲンで特別に造らせた鋳鉄製の門です。

沼津御用邸記念公園 本邸正門

もう少し「沼津市歴史民俗資料館」方面に向かって進みます。

沼津御用邸記念公園 散策路

本邸御殿跡

途中、右手に「本邸御殿跡」の看板があります。
大正天皇のご静養のために真っ先に造営されたのが「本邸」で、1893(明治26)年に竣工されました。
その後増築が行われ、附属建物を含めた建築面積は約5,000㎡となりましたが、1945(昭和45)年の沼津大空襲で焼失してしまいました。

沼津御用邸記念公園 本邸御殿跡

藤棚

その先の左手には、長さ約90mの「藤棚」があります。
毎年5月初旬には、樹齢30~40年のコクリュウ・だるま藤・長藤の3種類の藤が咲き乱れ美しいトンネルを作ります。

沼津御用邸記念公園 藤棚

沼津市歴史民俗資料館

「沼津市歴史民俗資料館」に到着。
ここでは、駿河湾に面し昔から漁業が盛んだった沼津に伝わる漁撈(ぎょろう)用具や農耕用具・生活用具などが展示されています。

沼津御用邸記念公園 沼津市歴史民俗資料館

さて、先ほど菊花展が行われていた広場まで戻り、今度は海岸方面に進みます。
広場からすぐのところに、「沼津垣」を製作する作業場が見えてきました。
「沼津垣」は長いものだと20年もつそうですが、今年大きな被害をもたらした台風24号は沼津にも直撃。
この御用邸にも爪痕を残し、「沼津垣」もところどころ被害を受けていました。
現在修復を進めていますが、大変手間のかかる作業の為順次行われているようです。

沼津御用邸記念公園 沼津垣の作業場

製作中の「沼津垣」です。
箱根竹と呼ばれる直径1cmほどの細いメダケを十数本ずつ束ねて、杉綾模様に編んでいく作業です。
このサイズを作るのに、だいたい1週間かかるとのこと。

沼津御用邸記念公園 製作中の沼津垣

大量の箱根竹が必要になると思いますが、その仕入れは1年のうち11~1月の間にまとめて行うそうです。
その理由は、このシーズンの竹は水分が少なく材質が固く絞まっているため、細工に適した竹になるからです。
仕入れた全ての竹が使える訳でなく、中には使えない竹も混じっているので、毎年だいたい200束を30セット仕入れているそうです。
現在「沼津垣」の数が市内でも大分減ってきているようですが、芸術ともいえる素晴らしい伝統工芸なので、しっかりと伝承されていく事を期待しています。

沼津御用邸記念公園 沼津垣の模様

牛臥(うしぶせ)海岸方面へ。

沼津御用邸記念公園 牛臥海岸方面への遊歩道

園内から海岸を眺めるベンチが設置されています。

沼津御用邸記念公園 牛臥海岸方面前のベンチ

プロムナードに架かる2つ目の連絡橋。

沼津御用邸記念公園 連絡橋

この階段を下って連絡橋の下を通り、プロムナードを進むと「正門」側の道に出ます。

沼津御用邸記念公園 連絡橋をくぐる階段

その先には、ちょっと休憩できる東屋。

沼津御用邸記念公園 東屋

「西附属邸」の裏側に出てきました。

沼津御用邸記念公園 西附属邸

「西附属邸」の壁に沿って進むと、松林に囲まれた庭園に出てきます。

沼津御用邸記念公園 庭園

庭園から更に「西附属邸」の壁に沿って進めば、スタート地点の売店に戻ります。

「沼津御用邸記念公園」の園内散策では、御用邸の歴史に触れることのできる色々な発見がありました。
「沼津御用邸記念公園」では時期によって、鯉のぼりや七夕飾り、菊や巨大な竹のモニュメントなどが展示され、園内に咲く花々も移り変わっていきます。
季節ごとに変わる公園の景色を、楽しむのもお勧めです。

沼津御用邸記念公園 売店
 
 
 
 
  • 2018年11月14日
  • 掲載する内容は正確性を心がけておりますが、現地の事情や状況の変化により当てはまらない場合もございます。 お出掛け前に、現地にご確認くださいませ。

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