高さ20m・幅150mの絶壁から、毎秒1.5tの雪解け水が流れ出る雄大な滝「白糸ノ滝」

白糸ノ滝

2024.4.19 2018.6.23
白糸ノ滝

ご案内

  • 富士山世界文化遺産の構成資産
  • 高さ20m・幅150mの絶壁から、毎秒1.5tの雪解け水が流れ出る雄大な滝
  • 女性的な美しさに例えられ、源頼朝も一句詠むほど

年間約70万人の観光客が訪れる全国でも有名な名瀑。
白糸を垂らしたように大小数百の滝が流れ落ちる様から、「白糸の滝」と名付けられています。

「白糸の滝」から流れ出る水は、本滝の一部を除き、そのほとんどが富士山の雪解け水です。
雪解け水が富士溶岩のすきまを通って地下にしみ込み、約10~15年という長い年月をかけて伏流します。
その後ここで、地層中の上部にある水を通す地層(新富士溶岩層)と、下部にある水を通さない地層(古富士泥流層)の境の絶壁から湧き出してきます。
高さ20m・幅150mの湾曲した絶壁から流れ出る水量は毎秒1.5tと言われています。
その莫大な水量の為、浸食が進み、1年で2cmずつ後退しているそうです。

豪快で男性的な「音止の滝」とは対照的に、「白糸の滝」は女性的な美しさで例えられ、その優美な姿で見る者を癒してくれます。
鎌倉幕府を開いた源頼朝も「富士の巻狩り」で「白糸の滝」を訪れた際に、滝の美しさに魅了され、
「この上に いかなる姫や おわすらん おだまき流す 白糸の滝」
と詠んでいます。
「おだまき」とは、つむいだ麻糸を、中心を空洞にして巻いた糸玉。
“糸玉から流れ落ちる糸のように滝の水が流れている、滝の上ではいかなる姫君が糸を紡いでいるのだろうか”と、滝の女性的な美しさを和歌に表現しています。
源頼朝の「富士の巻狩り」の足跡は、この「白糸の滝」の周辺には、源頼朝が鬢の乱れを直したという泉お鬢水おびんみず、日本五大桜として知られる「狩宿の下馬桜」や「人穴」などいくつかあります。

富士の巻狩り

建久4(1193)年5月8日〜6月7日の約1カ月かけて、源頼朝が諸国の御家人を集めて行った大規模な巻狩です。
巻狩は、勢子(鳥獣を追い出す人)が追い立てた獲物を馬に乗って弓で射る狩猟で、武術の訓練を兼ねていました。
源頼朝を中心とした東国武士の力を、京都の公家に認めさせる為の大軍事演習でもあったようです。

また、「白糸の滝」は戦国時代末から江戸時代初期、富士講の開祖とされる長谷川角行かくぎょう(1541~1646年)が修行を行った地とされています。
江戸時代、富士講を中心とした人々の巡礼・修行の場となり、富士信仰を証明するものとして富士山世界文化遺産の構成資産に選ばれています。

昭和11(1936)年 国の名勝及び天然記念物に指定される
昭和25(1950)年10月 「観光百選滝の部」で1位に選ばれる
平成2(1990)年 ノミネートされた517カ所の滝の中から「日本の滝百選」に選ばれる
平成25(2013)年 富士山の構成資産として世界文化遺産登録に認定される

「白糸の滝」では香取慎吾主演の映画「西遊記」のロケ地にも使用されました。
TVドラマの「西遊記」では、孫悟空と魔王の対決シーンが撮影され、後に映画化されたときには、三蔵法師一行が船で滝つぼに到着する場面が撮影されています。

白糸の滝の隣には、「曾我兄弟の仇討ち」伝説でも知られる雄大な「音止の滝」があります。

「白糸ノ滝」周辺の歩き方や写真など現地の様子がよく分かる詳しい情報は、こちらでご紹介しています

現地レポート

基本情報

住所 静岡県富士宮市原上井出
駐車場 富士宮市観光協会駐車場 105台 ¥500/1回
アクセス

新東名新富士ICから約17km(約25分)

東名富士ICから約19km(約30分)

JR富士宮駅より富士急バスで「白糸ノ滝」「足形」「休暇村富士」「猪の頭」行き乗車「白糸ノ滝観光案内所前」または「白糸ノ滝」下車(約30分)

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