「底抜池」を有する「榛の木林民俗資料館」は、富士山、古民家、滝が揃った風情あふれる絶景スポットとしても有名です

榛の木林民俗資料館

2024.4.21 2018.11.11
榛の木林民俗資料館

ご案内

「底抜池」を有する民俗資料館

榛の木林はんのきばやし民俗資料館」は、忍野八海の池の1つである「底抜池そこなしいけ」を有する資料館で、「底抜池」を見たいときにはここに入場する必要があります。
資料館の建物は、もともと渡辺家の住宅として使われていたもので、この一帯で最古と言われる築200年の歴史ある建物です。
そこには家財道具・農具・武具など、当時の生活を知ることができる貴重な資料が展示されています。

風情あふれる絶景スポット

約9,000坪(29,700㎡)の広大な敷地には資料館以外に「底抜池」や「鯉の池」、水車小屋や滝などがあり、資料を観るだけでなく景色も楽しめるスポットになっています。
チケット売り場の建物は展望台となっており、そこからは富士山、古民家、滝が揃ったインスタ映えする景色を眺めることができます。
入場料がかかる為か、忍野八海の混雑ぶりとは裏腹に人も少なく、ゆっくりと静かに見学を楽しむことができます。

現地レポート

榛の木林はんのきばやし民俗資料館」は、「濁池」の近くにあるこの建物から入場します。

榛の木林民俗資料館

中に入ると券売機があります。
入場券を購入し、窓口の人に渡して入場。

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チケット売り場となっている建物の屋上は、展望台となっています。

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この展望台は、富士山と古民家と滝のコラボレーション写真がとれる絶好の撮影スポット。
この日は、この後10分後に富士山が雲に隠れてしまったので、間一髪でコラボ写真撮影に成功!
来た甲斐がありました。

榛の木林民俗資料館

よく忍野八海のイメージ画像に使われ勘違いし易いのですが、この大きな池は「鯉の池」という人工池で「底抜池そこなしいけ」ではありません。
ただ、この池と茅葺屋根の古民家、富士山の風情ある風景が見れるだけでも充分な価値がある池です。

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敷地内には、虹マスの生け簀があります。
そこに「虹マスに自由に触れてください」との看板。
早速挑戦してみますが…

榛の木林民俗資料館

私が鈍すぎるのか、虹マスの警戒心が強過ぎるのか…
捕まるわけにはいかない虹マスも、右に左にサッ!と逃げてしまい、そうそう簡単に触らせてもらえません。
結局、この日は池の水温を確認して終了。

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立派な滝も流れています。

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順路の先には、風情漂う水車小屋。

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水車の回転する力が伝わり、杵が(石臼に)落ちて上がって、落ちて上がってが延々に繰り返されます。
水車は当時、穀物の脱穀や精粉、餅つきなどに使われ、一種の原動機として活躍していたんですね。

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その隣りには、風力によって穀物を籾殻もみがら・玄米・塵などに選別するための農具「唐箕とうみ」が展示されています。
水車小屋内は、昔懐かしい農具の展示場となっています。

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順路の次に見えてきたのは「隠居屋」。

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「隠居屋」の脇には、お手洗いもあります。

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「隠居屋」は間口5間(約9m)、奥行2間半(約4.5m)で、間取りは1部屋だけですが20畳と十分な広さがあります。
囲炉裏のある屋敷内では、富士山の写真や木彫りの置物などが展示されていました。

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榛の木林はんのきばやし民俗資料館」の建物は江戸時代(18世紀後半)に建てられ、 富士北麓一帯では最も古い民家の一つと云われています。
広さは間口9間半(約17m) 奥行5間半(約10m)もある大きなお屋敷です。

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玄関には、布で作った三角の「ヒイチー」が飾られています。
この地域では、小正月に行われる道祖神祭で、御神木に紙の吹き流しや絵馬などを飾ってお祝いをするそうです。
その際に、家内安全・商売繁昌などの祈願をこめて上納したものが、この「ヒイチー」。
祭りの後、各家庭で下げ請け、玄関に掲げておくと魔除け・災難除けになると云われています。

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玄関を入ってすぐ目の前には、駕籠かごが吊るされています。
所領を実際に支配していた在地領主の家系だということが伺えます。

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12.5畳2室と10畳が続く座敷には、渡辺家で代々受け継がれてきた民俗資料が展示してあります。

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渡辺家の家系に、コインコレクターの方がいらっしゃったんでしょうか?

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400余年前にご先祖様が着用していた鎧兜、刀剣類なども展示されています。

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勝手場には、囲炉裏もあります。

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土間の様子。

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2階に上る階段があるので、頭上に注意しながら上っていきます。

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2・3階部分はもともと養蚕に使われていたそうです。

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ここには、糸取りやマブシなど養蚕で使われる道具の他に、原始的な除草機や箕など農業で使われる道具など約300点が展示されています。

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ここから更に梯子の階段を上って3階に行きます。
1段1段の段差が高いので、慎重に慎重に。

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3階は、三角屋根の鋭角な部分。
小さな採光窓が設けられています。

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ここにも、また更に上っていく梯子があります。

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梯子を上ると、屋根の中央部を一段高くした「兜造り」に出てきます。
「兜造り」は養蚕農家によく見られ、 蚕の収量を多くするために採光や換気を工夫するよう造られたそうです。

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「兜造り」の拡大画像。

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ここから眺める池は、こんな感じ。
う~ん、垣根が少々お邪魔なんですが…

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池を眺める障害となっていた垣根は、4mはあろうかというこんなに立派なものでした。
こんだけ高いと剪定も大変だろうなぁ~と他人事ながら心配してしまいました。

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さて、資料館に気を取られて忘れてはいけません。
敷地の1番奥まった場所に、忍野八海のうちの一つ「底抜池そこなしいけ」があります。

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「底抜池」は、八海めぐりの第三霊場です。
水深は1.5m。
他の池に比べてもそんなに深くないのに、「底抜池」と呼ばれるには訳があります。
昔、この池で手を滑らせ野菜や道具を落としてしまうと、渦と共に水底に消えてしまい、どんなに探しても見つからなかったそうです。
それ以来、この池で洗い物をすると神様の怒りを買うと語り継がれてきました。
また底抜池で落としたものは、しばらくするとお釜池に浮かび上がってくることもあり、この2つの池は地底で繋がっていると云われています。

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忍野八海の中で唯一、個人所有で守られている池です。
池は大分澄んでおり、ゆうゆう泳ぐ魚や池の底がしっかりと確認できます。

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さて、「鯉の池」に戻ってきました。
池のほとりには、魚のえさがあります。
小さなお子さんが喜びそうですね。

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鴨達が茅葺の水車を背景に、ゆうゆうと泳いでいる光景に、癒されます。

この広い敷地内には茅葺の建物が4棟ありますが、その萱は2015年に葺き替えたばかりです。
維持していくためには、およそ30年に1度葺き替えなければならないそうですが、萱が手に入りづらいこの時代に維持していくのも大変な苦労があるかと思います。
長い歴史の中で、当時の生活を知ることのできる貴重な資料を大事にとってくれていることに感謝し、これからもこの風景が長く残っていくことを願っています。

榛の木林民俗資料館

基本情報

住所 山梨県南都留郡忍野村忍草265
TEL 0555-84-2587
お休み 不定休
営業時間 9:00~17:00
料金
中学生以上 ¥300
小学生 ¥150
1歳~幼稚園児 ¥100
駐車場 周辺に有料駐車場あり
アクセス

東富士五湖道山中湖ICから約4km(約7分)

富士急行富士山駅より富士急行バスで「内野方面」行き乗車「忍野八海」下車(約15~20分)

サイト ホームページ
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