駿河湾で水揚げされた深海生物約200点の標本や剥製が展示されている「駿河湾深海生物館」の現地レポート

駿河湾深海生物館

2024.4.17 2019.2.20
駿河湾深海生物館

ご案内

  • 駿河湾で水揚げされた深海生物約200点の標本や剥製を展示

「駿河湾深海生物館」の目の前に広がる駿河湾には、フィリピン海プレートがユーラシアプレートの下に沈み込み続けているプレートの境界「駿河トラフ」があります。
その最深部は水深2,500m、まさに深海生物の宝庫です。
そんな駿河湾で水揚げされた深海生物の標本や剥製が、約200点展示されています。

併設の「戸田造船郷土資料博物館」について知りたい方は、
こちらのページで紹介しています。

戸田造船郷土資料博物館

現地レポート

戸田の漁業

入ってすぐの部屋は郷土資料室となっており、戸田で昔から使われてきた漁業の道具などが展示されています

戸田では、かつて黒潮分流に乗ってやってくるイワシやカツオなどを獲っていましたが、明治41年、動力付カツオ船を導入すると伊豆諸島周辺へ、戦後は大型漁船で南太平洋やインド洋の遠洋漁業へ出ていたそうです。
現在は県内の水揚げ量50%を占めるサバ類やイワシ類、深海のタカアシガニなどを水揚げしているそうです。

戸田の漁業 紹介展示
咸臨丸の模型

咸臨丸(かんりんまる)は、オランダで建造され、初めて太平洋を横断した日本の軍艦です。
日米修好通商条約の批准の為に1860年にアメリカに向かった時には、ヘダ号造船に従事した船大工・鈴木長吉も乗船していたそうです。

咸臨丸の模型
六分儀

GPSのある現在は位置を簡単に把握できますが、昔はこの六分儀で水平線と星の角度を測定し、現在地の緯度を求めていました。

本当に便利な世の中になりました。

六分儀

他にも、漁師の方々が愛用した道具が数多く展示されています。

駿河湾深海生物館 漁師の方々が愛用した道具

郷土資料室から、潜水艦のような通路を抜けると「駿河湾深海生物館」があります。

駿河湾深海生物館

この「駿河湾深海生物館」の名誉館長は、ココリコの田中直樹さん。
等身大パネルとVTRで出迎えてくれます。
「田中名誉館長コーナー」も設けられ、お気に入りのサメや田中名誉館長直筆の想像上の生物画などが展示されています。

駿河湾深海生物館 名誉館長はココリコの田中直樹さん等身大パネル

展示コーナーにはタブレットが設置され、起動すると田中名誉館長が分かり易く解説をしてくれます。

駿河湾深海生物館 田中名誉館長の動画説明
タカアシガニ

食べがいのありそうな、ドでかいカニ…
地球上の節足動物の中で最大の生物タカアシガニです。
まだまだ生体不明のタカアシガニですが、「駿河湾深海生物館」では5㎝に満たないカニから3mにも及ぶ巨大なカニまで充実した展示内容です。
それもそのはず、戸田はタカアシガニの水揚げ量世界一!
タカアシガニは食材や魔除けのお面として、戸田の生活を支えています。

駿河湾深海生物館 タカアシガニ
魔除けのお面作り体験

そんなタカアシガニの魔除けお面作りコーナーもあります。
体験料500円、所要時間約1時間で気軽にできます。
魔除けや節分用にいかがですか?

駿河湾深海生物館 魔除けのお面
スタッフコーナー

展示室の一角には、得体の知れない生物がズラリと並んでいます。
ここは、深海トロール漁船が獲った珍しい生物をスタッフ自ら標本にして展示しているコーナーです。
進化途中のような、不思議なような、怪しいような、はたまた不気味なような…
でも、やっぱり見たいっ!
と最後は、ちゃっかり興味津々。

駿河湾深海生物館 深海魚の標本
深海ザメの展示コーナー

世界には500種いるといわれるサメも多数展示。
大きさも形もみんな、個性的です。

駿河湾深海生物館 深海ザメ
オロシザメ

その中でも特に注目のサメが、オロシザメ。
おろし金のように大変荒い表皮をもっています。
戸田沖で捕獲されたものが論文の対象個体となって魚類学雑誌に掲載され、1985年に新種登録されたそうです。

駿河湾深海生物館 オロシザメ

駿河湾の海底の様子を再現したジオラマ

駿河湾深海生物館 駿河湾の海底の様子を再現したジオラマ

資料館のすぐそばには、駿河湾。
駿河湾の最深部は、水深2,500m。
その向こうにそびえる富士山は、標高3,776m。
標高差6,000mの景色が、生物館の目の前に広がっています。

駿河湾と富士山
スタンプラリー

館内では、クイズに答えながらスタンプを集めるスタンプラリーも行われています。
お子様と一緒に楽しみながら、勉強できそうです。

駿河湾深海生物館 スタンプラリー

「駿河湾深海生物館」では、通常の水族館では滅多に見れない珍しい深海生物を多数展示しています。
田中名誉館長の動画説明やスタンプラリー、魔除けのお面作りなどが用意され、楽しみながら学べるのでご家族での出掛けにもお勧めです。

駿河湾深海生物館

併設の「戸田造船郷土資料博物館」も、お見逃しなく。

戸田造船郷土資料博物館

基本情報

住所 静岡県沼津市戸田2710-1
TEL 0558-94-2384
お休み 毎週水曜日・祝日の翌日・年末年始
営業時間 9:00~16:30
料金
大人 ¥200
小中学生 ¥100
駐車場 あり(無料)
アクセス

東名沼津ICから約50km(約70分)

サイト ホームページ
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