5本の滝から成る静岡県指定天然記念物「五竜の滝」は、スリリングな吊り橋からの眺めも楽しめます。

五竜の滝

裾野町 観る
2024.4.15 2018.10.24
五竜の滝

ご案内

5本の滝

「五竜の滝」は、「裾野市中央公園」内にあります。
その名の通り、「五竜の滝」は5本の滝から成り、黄瀬川本流にかかる大きな3本の滝を「雄滝」、東側の支流にかかる小さな2本の滝を「雌滝」と呼んでいます。
滝が流れ落ちる崖は断層となっており、約1万年前、富士山が噴火した際に形成された新富士山三島溶岩流を観察できます。
平成9(1997)年3月17日、静岡県指定天然記念物に指定されました。

吊り橋の上は、「雄滝」の絶景ポイント

「裾野市中央公園」は黄瀬川と佐野川との合流点付近にあり、黄瀬川には吊り橋、佐野川には太鼓橋が架けられています。
吊り橋は滝壺の正面に架かり、「雄滝」の絶景ポイント。
ユラユラと揺れ、スリリングな体験も楽しめます。

ホテル「五龍館」

以前、この付近は佐野瀑園と呼ばれ、「五龍館」というホテルがありました。
「五龍館」は、旧・東海道本線(現・御殿場線)開通の翌年、1890(明治23)年に開業したリゾートホテルです。
この辺りは箱根や熱海に比べ交通の便がよく、東京から汽車で約4時間で来れる、手軽なリゾート地として人気がありました。
また、東大医学部教授・ベルツ博士が「脚気かっけ転養の地に適す」と保証したことも影響し、多くの人々が訪れました。
明治26(1893)年には大正天皇、大正11(1922)年には昭和天皇も(共に皇太子時代)来訪なさっています。

新田次郎もこの地を訪れ、小説「蒼氷」には「五竜の滝」が登場します。
また、歌人・若山牧水も、度々この地を訪れて歌を詠んでおり、園内に歌碑も建てられています。

「東海偉観」をキャッチフレーズに大変な賑わいを見せた佐野瀑園でしたが、昭和9年、丹那トンネル開通により旧・東海道本線(現・御殿場線)がローカル線になると、「五龍館」への客足も次第に遠のいていってしまいました。
現在、その建物は残っていませんが、「裾野市中央公園」として整備され、憩いの場として市民に親しまれています。

現地レポート

「五竜の滝」の看板案内図

「五竜の滝」の看板案内図

「裾野市中央公園」には駐車場が3つあります。
なかでも、佐野川沿いにある駐車場は吊り橋に1番近く、大型バスも駐車できます。

五竜の滝

駐車場は、4~9月は午後5時閉鎖ですが、10~3月は午後4時に閉鎖となりますのでご注意ください。

五竜の滝

駐車場から道路を横断し公園に入るとすぐ左手に、お手洗いがあります。
園内にあるお手洗いは、2か所。
もう1つは、「旧植松家住宅」の近くにあります。

五竜の滝

更に進むと、軽食処「麦わらぼう」。
ここでは、地元のB級グルメ「すその水餃子」が食べられます。

五竜の滝

まずは、長さ63mの吊り橋「五竜のかけはし」を渡って、対岸へ。

五竜の滝

高さは9mでそれほど高くはないのですが、歩くたびにユラユラ。

五竜の滝

更に、川の様子が板の間から透けて見えるので、一歩一歩がそろ~りそろ~り慎重になります。

五竜の滝

吊り橋を同時に渡れるのは、5人までです。
私1人で渡っても体重が重いせいか揺れを大きく感じるので、人数制限はしっかりと守りましょう。

五竜の滝

吊り橋の上は、「五竜の滝」の絶景ポイント。
撮影しようとカメラを構えるのですが、歩を止めても上下にユラユラゆらゆら。
不安定な足場にドキドキしながら写真撮影。

五竜の滝

吊り橋の上から撮影した「雄滝」。

五竜の滝

吊り橋を渡った先は、テニスコートほどの広場になっています。

五竜の滝

こちら岸には「雌滝」に向かう散策路があるのですが、現在、立ち入り禁止となっております。
大雨や台風により、大柄沢にあった橋替わりの飛び石が流され、安全が確保できないとのこと。
残念ですが対岸から、「雌滝」を眺めることにします。

五竜の滝

また、高いところが苦手な方は吊り橋を渡らなくても、もっと身近に「五竜の滝」を眺められる展望スペースがありますので、ご安心ください。

五竜の滝

展望スペースから眺める「雄滝」。
「雄滝」は、黄瀬川本流にかかる3本の滝から成ります。
高さ約12m。
左からそれぞれ、雪解ゆきどけ富士見ふじみ月見つきみと呼びます。

五竜の滝

轟轟と音を立て、その名の通り勇ましく勢いのある滝です。

五竜の滝

「雌滝」は「雄滝」の右側、木陰にそっと隠れています。
「雌滝」は2本の滝から成り、左からそれぞれ銚子ちょうし狭衣さごろもと名付けられています。

五竜の滝

「五竜の滝」は、静岡県の天然記念物にも指定されています。

五竜の滝

ここには、御殿場線がまだ東海道本線として活躍していた頃に隆盛を極めたホテル「五龍館」がありました。
新田次郎や若山牧水などの文人墨客、大正天皇や昭和天皇も来訪されるほどの大盛況ぶりでした。

五竜の滝

明治24(1891)年の開業当時は木造平屋の建物でしたが、3年後の明治27(1894)には2階洋館を増築。
当時使用されていた門柱の笠石が、案内看板の下に飾られています。
笠石には、「五龍館」の「五」の文字。

五竜の滝

この近くにある階段を上ると、緑豊かな公園の散策路があります。
また、少し高い位置から「雄滝」を眺めることができます。

五竜の滝

高い位置から眺めた「雄滝」の様子。

五竜の滝

さらに上流から眺めた滝口(滝が落ちる手前)の様子。

五竜の滝

園内には、東屋や、

五竜の滝

ブランコや滑り台などの遊具、

五竜の滝

更に、孔雀と烏骨鶏もいて、小さいお子様も楽しめます。

五竜の滝

また、園内の色々な場所には、10枚の「すぅちゃん」パネルが隠れています。
「すぅちゃん」は、裾野市のB級グルメ「すその水ギョーザ」のマスコットキャラクター。
お子様と一緒に探すと、楽しそうです。

五竜の滝

園内には、懐かしい茅葺屋根の建物「旧植松家住宅」もあります。

五竜の滝

この建物は、18世紀初めに建てられた農家を移築したものです。
その保存の良さから、貴重な資料として昭和48年に国の重要文化財に指定されました。

五竜の滝

建物の南半分は、脱穀や縄ない、俵編みなどの農作業を行っていた広い土間となっています。

五竜の滝

立派な大黒柱。

五竜の滝

茅葺の屋根は10~20年に1度葺き替えるそうですが、今では萱が大変貴重なものになり、平成24年に行われた屋根の全面葺替え工事では約2,000万円かかったそうです。

五竜の滝

「旧植松家住宅」側には、観光協会やお手洗いがあり、多目的トイレも備えています。

五竜の滝

園内には、もう1つ大きな橋があります。
軽食処「麦わらぼう」の手前、佐野川にかかる太鼓橋「夢の橋」です。
こちらの橋は吊り橋の様に揺れませんので、ご安心ください。
「夢の橋」は長さ34mで、昭和53年に架けられました。

五竜の滝

橋を渡った先には、若山牧水の大きな歌碑があります。
若山牧水はかつてここにあった「五龍館」に宿泊し、歌集「野なかの瀧」「渓間の春」「麦の秋」などを執筆していました。
ここからの景色を若山牧水は 「富士が嶺や すそのに来り 仰ぐとき いよよ親しき 山にぞありける」 と詠っています。

五竜の滝

砂浜に下る階段もあり、川面近くから吊り橋と「雄滝の月見」「雌滝の銚子」を眺めることができます。

五竜の滝

明治から昭和の初期まで「東海の偉観」と呼ばれ、大変な賑わいを見せていた「五竜の滝」は、現在、住宅街の中にある憩いの場として市民に親しまれています。

五竜の滝

基本情報

住所 静岡県裾野市千福7ー1
お休み 年末年始(12/29~1/3)
営業時間
4/1~9/30 8:30~17:00
10/1~3/31 8:30~16:00
駐車場 3か所あり(約50台・無料)
アクセス

東名裾野ICから約5.5km(約10分)

東名沼津ICから約7.5km(約15分)

JR裾野駅から「すその~る(富岡・深良循環 西廻り)」乗車「中央公園前」下車(約7分)

サイト ホームページ
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地図

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アクセス時間

15
25
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