「長泉町井上靖文学館」では、作家・井上靖の全著書と生原稿、創作ノート、資料文献、写真などが収蔵展示されています

• 作家・井上靖のゆかりの品々が収蔵展示された文学館

作家・井上靖の全著書と各国語訳生原稿、手直し原稿、創作ノート、資料文献、写真などが収蔵展示された文学館。
井上靖氏は芥川賞を始め、文化勲章など数々の賞を受賞した小説家です。
この文学館は1973年11月、井上靖氏が66歳のとき存命中に設立されました。
氏は1907年に北海道旭川に生まれ、幼少時代を伊豆湯ヶ島で過ごし、高校時代は沼津で青春を謳歌しました。
氏の代表作である『あすなろ物語』では、美術館のあるこの地のことを「寒月ガ　カカレバ　キミヲシノブカナ　 愛鷹山あしたかやまノフモトニ住マウ」とうたわれています。
文学館では、氏の自伝的三部作といわれる『しろばんば』『夏草冬濤』『北の海』関連の資料を常設展示。
視聴コーナーでは井上靖氏本人が登場する映像が流れ、生前の貴重な話が聞くことができます。
室内は氏の代表作『あすなろ物語』にちなんで、“あすなろ(アオモリヒバ)”を使用しており、木の温もりが感じられ、来館者に好評です。

氏が作家として開花したのは1950年（昭和25年）、『闘牛』で芥川賞を受賞してからです。
その後、『しろばんば』や『あすなろ物語』のような自伝的な作品から、『天平の甍いらか』や『敦煌』などの歴史小説まで、幅広いジャンルの作品を残しています。
映像化された作品も多く、『風林火山』はNHKの大河ドラマとして使用されました。